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学校司書の増員を求める請願

もりもり通信第22号は2026年第2回定例会を中心にまとめましたが、この議会は様々な議論があり、スペースの都合ですべてを紹介できませんでした。表題の件もその一つです。タウンニュースにちょうど取り上げられましたので、その内容をお借りしてレポートします。

学校司書の常駐請願 不採択 八王子市議会で賛成少数 | 八王子 | タウンニュース


 市民団体が取り組んで提出された請願ですが、厚生委員会・本会議とも賛成少数で否決となりました。学校司書の充実は重要な施策です。その上で賛否が分かれたのは「一校専任」の部分です。それが実現すれば子どもたちの読書環境も良くなるのは確かなのですが、実際どこまでできるのかというところで、各会派の考えに差がでました。


まず学校司書とは、という話からですが、学校図書室の整備や奉仕職務を担当します。選書、目録への搭載、書架への配置、読書案内、広報、教師と連携した学習指導などを行いますので、ほぼ司書なのですが学校司書という資格があるわけではありません。学校図書館への配置は努力義務ですので、自治体ごとに配置や司書資格の要否、業務内容、処遇などに差があるのが実態です。


 そのため、記事中に他市では一人一校が実現しているという記載がありますが、一人一校を実現している自治体は大多数が時給制のアルバイトか、有償ボランティアにお願いしています。八王子市は司書一人で複数校掛け持ちとはいえ、現場に就いているのは司書資格を持つ専門職(27名)です。専門性の高い職員を、ほぼ常勤の形態で配置しているのが八王子市の特徴と言えます。(三多摩の中では良い水準だとは思いますが、会計年度任用職員であることに変わりはないので、十分すぎるかと問われれば、まだ改善の余地はあると考えますが。)

 市内公立小中学校107校に市内図書館に配置されている司書の数(100名弱)を上回る107人の司書を常駐させるのは高いハードルです。


 いきなり予算の話をするのも野暮ですが、学校図書館支援に約1.3億円の予算がついていますが、司書を100名強にすると年間5億円を超える金額となり、これは小学校の教材物品購入の予算に匹敵します。学校によっては図書購入費用の年間予算が10万円程度というところもあります。不登校児童生徒の支援のために特別支援学級などが設置されていますが、この予算は昨年度8400万円でした。教育予算よりも防衛費の方が多い国なので、そもそも教育にもっと予算を増やすべきという意見もそのとおりなのですが、学習環境の充実を図る際には費用対効果なども踏まえて優先順位をつけなければなりません。

 現在、現場で働いている学校司書職員からも体制充実を求める声が上がってています、今回の請願を機に、職員アンケートが取り組まれましたが、回答の平均値を見ると1人で2校を見られればよい、とする回答が多かった印象です。もちろん、1人1校がいいという意見もありました。一方、1学年1クラス、全校で6クラスという小学校や1クラスに2学年の児童がいる複式学級の学校もありますので、掛け持ちでも可、という考え方もあるのでしょう。

 学校司書に対するヒアリングを実施したところ、1校当たりの時間をもっとかけられるとうれしいが、頭数を増やすためにアルバイトやボランティアを入れるようなことをすると、予算カットに目が向いていずれ全てボランティアに切り替わってしまうのではないか、ということを危惧されていました。

 数字を達成することに追われて各校の読書環境にバラつきがでるようでは本末転倒です。 質と量を丁寧にレベルアップさせていくことが求められています。

 学校司書の充実を否定する議員はおそらく居ないと思いますが、どこに目標を置くのかによって賛否が分かれる結果となりました。反対した、というよりは賛成できなかった、というニュアンスです。


 司書のお仕事もデジタル化時代を迎え「資料の管理」「レファレンス」のやり方も高度化していくことが考えられます。特にデジタル化されない郷土資料の取り扱いやデジタルとアナログの長所を駆使した調べ学習、教育との連携などは、今後ますます重要になっていくことと思われますので、今回の請願を機に議論が深まってほしいと思っています。

 
 
 

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